CLIP STUDIO PAINT(クリップスタジオペイント)とは、通称「クリスタ」と呼ばれイラストや漫画を制作することができるペイントソフトです。
世界規模で2,500万人以上が使っているソフトとしてイラストレーターや漫画家にも広く使われておりアマチュアからプロにも幅広く親しまれています。
クリスタは、イラストや漫画に限らずアニメーション制作、写真加工、3Dデータ加工も可能となっておりクリエイター活動するユーザーにとって多機能な点や自由自在の描き心地はもちろん7万点もの素材が使用可能です。
また、「CLIP STUDIO PAINT PRO 」と「CLIP STUDIO PAINT EX 」の2つが存在しますが、違いとしてPROは1ページ単位のマンガやイラストに向いているのに対し、EXはPROよりも機能が増え複数ページの制作に向いています。
そのため、価格も違いがありますがパッケージ版、ダウンロード版、月額プランなど細かく支払い方法が変わるので手に入れやすいソフトでもあります。
クリスタを使用しているプロは多く、「となりの怪物くん」のろびこ先生や「女子高生の無駄づかい」のビーノ先生などアニメ化やドラマ化で話題になった作品にも使用されています。
その他にもアニメーション制作にも使われています。
現時点でクリスタを使用していることが確認されている職種は以下の通りです。
- イラストレーター
- 漫画家
- アニメーター
- ゲームクリエイター
- CGクリエイター
- グラフィックデザイナー
- Webデザイナー
- エッセイスト
- Youtuber
これらの職種で活躍しているクリスタは、今後クリエイターとしての指標になる可能性があります。
下記では2022年より新しく始まった「CLIP STUDIO PAINTクリエイター検定」について解説していきます。
CLIP STUDIO PAINT(クリップスタジオペイント)クリエイター検定とは?
CLIP STUDIO PAINTクリエイター検定とは、2021年10月1日に発表されたクリスタの検定です。
検定の初開催は翌年の2022年4月21日となっており、比較的新しい試みである検定です。
2023年1月時点では、すでに4回目の開催を予定しており下記の通りです。
申込期間 | 2022年12月20日~2023年3月20日 |
試験期間 | 2023年1月21日~2023年4月20日 |
合格認定証送付 | 2023年5月中旬 |
申込期間が試験期間よりも1ヶ月早く終了するので申込の際は注意しましょう。また、合格認定証送付日が合否結果の通知になります。
科目は「ベーシック」「イラスト」「マンガ」「アニメーション」の4つに分かれ60分の時間の中で全50問を回答する試験内容となっています。
解答形式は選択解答式となっており各都道府県の指定のテストセンターやパソコン教室でコンピューターを利用しての受験となります。
CLIP STUDIO PAINTクリエイター検定の応募はこちらから
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受けるメリット
現状では検定に合格しなければ何かできなくなるとかいったことはありませんが、初めてクリスタを使う方や普段からクリスタを使っている方も新たな知識を得ることができます。
さらに教育やプロの現場でクリスタは採用されているため即戦力になるための勉強にもなります。
また、意外と知らなかった応用知識を得られるので制作の幅が広がり時間短縮やクオリティ及び制作スピードの向上も見込めます。
これらのことから受けるメリットをまとめると以下の通りです。
- 基礎知識が学べる
- 即戦力になれる
- 円滑な制作ができる
- クオリティやスピード向上
クリスタは大阪芸術大学や代々木アニメーションなどの数多くの教育機関でも教材として使われています。
さらに「ちびまる子ちゃん」の日本アニメーション株式会社や「ジョジョの奇妙な冒険」のオープニングアニメを手掛けた有限会社神風動画などのプロの現場にも導入されています。
このことから試験の目安や採用する人材の基準として資格の有無を取り入れることを今後視野にいれている可能性があるのではないでしょうか。
価格と出題範囲
科目によって出題範囲や価格が異なります。
ベーシック | イラスト | マンガ | アニメーション | |
---|---|---|---|---|
価格 (税込) | 5,500円 | 11,000円 (学割8,800円) | 11,000円 (学割8,800円) | 11,000円 (学割8,800円) |
団体割引受験料 | 5,200円 | 8,500円 | 8,500円 | 8,500円 |
対象 | CLIP STUDIO PAINTユーザー対象 | プロイラストレーター、プロを目指す方、イラスト制作を学ぶ学生対象 | プロマンガ家、アシスタントおよびそれらを目指す方、マンガ制作を学ぶ学生、同人活動をしている方対象 | プロアニメーター、個人クリエイター、アニメ制作会社社員およびそれらを目指す方、アニメ制作を学ぶ学生対象 |
出題 範囲 | ・デジタル制作全般の基礎知識 ・基本的な機能 ・CLIP STUDIO PROの活用能力 | ・イラストに特化したデジタル制作の知識 ・CLIP STUDIO PAINTの幅広い機能や活用能力 ・業界で求められる知識(著作権、SNS、印刷など) ・描画の技能を測る設問 | ・マンガに特化したデジタル制作の知識 ・CLIP STUDIO PAINTの幅広い機能、CLIP STUDIO EXの活用能力 ・関連する業界で求められる知識(著作権、SNS、印刷、電子書籍など) ・マンガの技能を測る設問 | ・アニメに特化したデジタル制作の知識 ・CLIP STUDIO PAINTの幅広い機能、活用能力 ・業界で求められる知識(業界専門知識、著作権、制作フローなど) ・絵、動きのある技能を測る設問 |
試験 時間 | 60分 | 60分 | 60分 | 60分 |
問題数 | 50問 | 50問 | 50問 | 50問 |
学割は、ベーシック以外の科目が対象です。中学生以上は学生証・生徒手帳などの身分証明書を検定当日に提示することで学割が適用されます。
20名以上での申し込みになると、団体試験として割引価格での受験が可能です。
表からも分かる通り、出題範囲は広く設定されているため専門的な制作を行っている方からすると全く知らない知識や知る必要のないものも出題される可能性があります。
本記事では検定の対策についても下部で解説しているので参考にしてみてください。
合格基準
検定は60点で合格となりますが、合格者は「S」「A」「B」「C」の4つのランクに分類されます。
- S:成績上位3%前後
- A:成績上位3~10%前後
- B:成績上位10~30%前後
- C:それ以下の合格者
試験後にランクが記載された合格認定証が授与されます。
検定は1回しか受けられないといったことはなく現在のランクがCだとしてもランクアップを目指しての受験が可能です。
試験時の注意点
試験時の注意点として以下の点が挙げられます。
- 身分証明書
- 受験チケットID(受験チケット)
- キャンセル・変更方法
公平な試験を行うために「顔写真付きの身分証明書1点」もしくは「顔写真無しの身分証明書2点」のいずれかが必要です。
忘れてしまった場合、試験を受けられないので注意しましょう。
また、学割が適用される方は学生証、生徒手帳などの提示を忘れずに行いましょう。
次に受験チケットID(受験チケット)ですが、試験予約の登録時にチケット番号を入力することで試験予約が可能になるチケットです。
必ずチケット番号を入力し試験予約の登録は済ませておきましょう。
注意
試験の予約自体は、試験日の1営業日前の17時まで可能ですがキャンセルや会場、日時の変更に関して試験日の3営業日前までとなっています。
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CLIP STUDIO PAINTクリエイター検定の対策
いきなり検定を受けることにハードルの高さを感じる方もいることかと思います。
もちろん独学で学んでいる方も自分の知識が通用するのか不安を感じることでしょう。
検定を受ける前にどこまで自分が通用するのか、どういった問題が出題されるのか事前に「診断テスト」や練習問題として「サンプル問題」を受けることができます。
さらに「完全対策ドリル」も販売されているため効率的に試験対策が可能となっています。
以下ではこれから検定を受ける方向けに解説していきます。
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診断テスト
CLIP STUDIO PAINTクリエイター検定の公式サイトの最下部にて「ベーシック」「イラスト」に関してどこまでの基本機能を使用しているかの診断を受けることができます。
知っている機能に対してチェックマークを付けるだけで自分がどれだけの基本機能を把握しているかの理解ができます。
また機能の名称横の本アイコンを開くことでどのような機能なのかの確認もすることが可能です。
検定を受ける前の自分の知識量を簡易的ではありますが測ることができます。
サンプル問題
CLIP STUDIO PAINTクリエイター検定の公式サイトから各科目のサンプル問題を試すことができるので実際の試験の練習が可能です。
サンプル問題は無料で1人何回でも自由に試すことができます。
「フリーID」と「パスワード」は公式から発行されているので手順に沿って試してみましょう。
各科目にそれぞれChapter.5まであり、Chapterごとに5問ずつの計50問を解くことができます。
1問ごとに選択肢が4つあり正解を選択する形式となっています。
ポイント
時間制限はありませんが、検定では50問を60分で解くこととなるので5問あたり6分以内で設定して解くとより本番に近い形となります。
サンプル問題の回答終了後は正解率である「スコア」と「解答時間」が確認できます。
完全対策ドリルが発売!
現在クリスタを提供している株式会社セルシスより「CLIP STUDIO PAINTクリエイター検定完全対策ドリル」がeラーニング教材として発売されています。
完全対策ドリルはお申込みページから購入可能となっています。
実際の出題内容に類似した問題がドリル形式で解き進めることが可能となっており解答、解説が収録されているため効率的に学ぶことができます。
さらに、サンプル問題がChapterごとに5問ずつに比べて問題数は多く収録されており各科目それぞれ2,750円(税込み)のChapter.5に模擬テストが追加されています。以下がそれぞれの問題数の比較です。
科目 | ベーシック | イラスト | マンガ | アニメーション |
Chapter.1 | 25問 | 15問 | 21問 | 45問 |
Chapter.2 | 30問 | 26問 | 21問 | 14問 |
Chapter.3 | 25問 | 23問 | 27問 | 10問 |
Chapter.4 | 20問 | 20問 | 14問 | 14問 |
Chapter.5 | 20問 | 16問 | 17問 | 17問 |
模擬テスト | 50問 | 50問 | 50問 | 50問 |
ポイント
実際の検定よりも多くの問題数が収録されているため検定を受けずともクリスタの知識を得たいと考えている方には十分役に立つ教材となっています。
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CLIP STUDIO PAINTクリエイター検定で自分の力を試してみよう
CLIP STUDIO PAINTクリエイター検定について紹介していきました。
対策も豊富に用意されているのでクリスタの知識が広がりますし、クリスタを本格的に使用することを考えているのであれば現在の自分の力を試すこともできるメリットがあります。
ただし、普段使っている機能面以外の使用しない機能も試験問題として含まれている可能性は十分あり得ます。
多種多様なコンテンツがあふれている現代で近い将来クリスタの検定にどのような需要が生まれていくのか断言はできませんが、今後クリエイターとしてのアピールポイントにもなるのではないでしょうか。
ぜひCLIP STUDIO PAINTクリエイター検定を受けて自分の力を試していきましょう。
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