
2023年に入り、各方面でAIツールの導入が次々と発表されChatGPTと呼ばれるAIも大きな話題を呼んでいますが、文章のみならず、音楽、画像、動画、3DアートまでAIが生成することが可能になってきました。
仕事でイラストを制作する機会のある人にとっては、作業量の大幅な短縮や質の向上が見込めるため、今後AIと上手く付き合っていく必要がありそうですね。
今回はそんな生成AIの中でも、クリエイティブな可能性溢れるAdobeのFireflyのビジネスや創作活動への応用について考えていきます。
Adobeの画像生成AI「Firefly」とは?

Fireflyはクリエイティブなプロ向け制作ソフトを手掛けるAdobeが開発した画像生成AI。
どんな場面で活躍できるのでしょうか?
実際の利用例や注意点など、Fireflyの特徴とメリットを見ていきます。
画像生成AIの仕組みと特徴
画像生成AIは、テキスト入力による指示に応じて画像を生成してくれたり、イラストに色を塗ってくれたり、テキストにテクスチャを付加してくれたりします。
AdobeのFireflyは他にもイラスト制作用のブラシを生成したり、3Dアートを作ったり、スケッチからフルカラー画像を作ったりと様々な機能を開発中。
ポイント
PhotoshopにもFireflyの機能は組み込まれていくため、趣味やビジネスでイラスト制作をしている人にとっては、Fireflyの進化でより創作活動が快適に!
今後もFireflyの情報から目が離せません。
画像生成AIの利用例と実績
画像生成AI「Firefly」はどのような活用方法があるのでしょうか?
Fireflyはまだベータ版ですが、既に利用されている画像生成AIの事例からFireflyに期待できること、Fireflyにしかできないことを探ってみましょう。
他の画像生成AIとの違い
多くの画像生成AIは1つの作業に特化しており、得意不得意があったり、同じテキストで指示を出してもAIによって絵のタッチが異なる画像が出来上がったりします。
AdobeのFireflyは様々な作業を学習し、Fireflyだけでも現在画像生成AIに期待されている機能を網羅することができるので、正式リリース後有償利用になっても、コスパ抜群のツールとなるでしょう。
アイデアを瞬時に可視化
画像生成AIを使えば、頭の中に浮かんだイメージを瞬時に可視化することができます。
つまり、以下のような使い方が可能になるのです。
共同制作チームとデザインの打ち合わせ中、ふとアイデアが浮かんだが、メンバー全員と言葉でイメージを正確に共有するのは難しい。
→画像生成AIを利用することで、言葉で説明するよりも明確にチームメンバーとイメージを共有することができる
インテリアコーディネーターとして、クライアントの部屋に合ったコーディネートを提案したいが、この場で描いて見せるのは時間がかかる。
→クライアントの部屋の写真を取り込み、AIに不要な家具を取り除いてもらい、インテリアの詳細なイメージを伝えれば実際のクライアントの部屋に合わせて家具の配置·配色のイメージを描いてもらうことができる
今思いついたアイデアを、一旦持ち帰って図面やイラストを描いてから再度打ち合わせとなると、結論や制作開始が先延ばしになります。
ポイント
画像生成AIなら今まで時間や手間がかかりすぎて現実的に不可能だった制作も可能になり、画像生成AIに期待されている多彩な機能を網羅したFireflyがあればAIとのコラボで創作の幅が無限に広がることでしょう!
画像生成AIを商用利用するにはどうすればいいか?

画像生成AIが作った画像は商用利用できるのでしょうか?
商用利用の条件や注意点について考えてみましょう。
商用利用の条件とライセンス
無料で利用できる画像生成AIだと商用利用不可のものも多く、残念ながら2023年8月時点ではAdobeのFireflyで作った生成画像は商用利用ができません。
これは現在公開されているFireflyがベータ版であるためで、正式リリースされれば商用利用が可能になると思われます。
ポイント
AdobeはPhotoshopをはじめとしたプロのクリエイター向け製品を多数リリースしているため、Fireflyも例に漏れず商用利用可能なプロ向け製品としてリリースされると推測できますので、Adobeの公式発表を期待して待ちましょう。
商用利用における注意点とリスク
商用利用にあたっては特に、著作権や倫理の問題に注意する必要があります。
AIが作った創作物に関する法律の整備がまだ追いついていないためグレーな解釈ですが、
「著作物とは思想または感情を創作的に表現したもの」
という法律の一文からは
「自分の思想をもとにAIに作成指示を出したのだから、思想の持主に著作権が認められる」
と読み取れるのです。
ただし、これはAIがなかった時代に作られた法律なので、遠くない将来にAI絡みの法律が整備されると思いますが、現状ではビジネスにAIが作った作品を利用しても問題ないと考えられます。
今後はAIが作ったコンテンツに対し著作権を主張し商用利用し続けるためには有料会員でなければ使えなくなったり、ライセンス併記など条件が厳しくなったりする可能性はあると思います。
ポイント
法律で禁止されていないから何でもやってOKではなくて倫理的な問題もありますので、十分に配慮して利用する必要があるでしょう。
現状は、自分の作品にAIがアレンジを加える程度にとどめるか、制作前の完成イメージ画像を作るのに利用するのがベストだと思います。
画像生成AIをビジネスに活用する方法

画像生成AIを活用すれば、イラスト制作の作業効率が上がって楽になったり、自分ひとりでは作れない独創的な作品を作ったりと、ビジネスの質や量を更に拡大することができるようになるでしょう。
Adobe Fireflyの正式リリースに向けて、Fireflyをどのようにビジネスや創作活動に活用するか、考えてみましょう。
クリエイティブなコンテンツ作成のヒント
まずはFireflyを使って独創性の高い作品を作れるようにならなければなりません。
画像生成AIに自分の思い通りの画像を作ってもらうには、ちょっとしたコツが要ります。
AIに画像生成をしてもらうには、「プロンプト」と呼ばれるテキストによる指示が必要です。
画像生成AIへの指示が上手く伝わらなければ、思い描いていた完成イメージと異なる画像が出来上がってしまうことがあります。
尚、プロンプトは日本語よりも英語の方がうまくイメージが伝わりやすいようです。
といっても、いきなり英語でイメージを伝えろと言われても難しいですよね?
慣れるまではプロンプト生成ツールを使っている人が多いようなので、ぜひ活用してみてください。
ポイント
プロンプトの作成を話題のChatGPTに依頼すれば比較的簡単に作れそうです。
プロンプトの使い方をマスターして、より独創的な作品を作ったり、制作作業を効率化したり、画像生成AIによってあなたのクリエイティブなビジネスの幅を更に広げていきましょう!
マーケティングやブランディングに役立つ活用法
こだわりのモノ作りもビジネスとなると、「わかってくれる人だけ買ってくれれば良いから売上は二の次」というわけにはいきませんよね。
ビジネスにおいて、「顧客が何を求めているか」「どのようなコンテンツが顧客に喜ばれるか」というマーケティングの考え方はとても大切です。
自らのコンテンツでビジネスを行っている人は、マーケティングに多くの時間を割いていることだと思います。
Fireflyはただ画像を作って色を塗るだけのAIではなく、様々なデータを学習してイラストを製作します。
つまり、「顧客が求めるニーズ」や「ブランドのコンセプトや統一性」を理解した上での製作ができるようにトレーニングをされている段階、のようです。
ある程度学習が進んだ状態で正式リリースになるのではないかと思います。
ポイント
これによりビジネスにおいてマーケティングにかける時間が大幅に短縮されますし、デザイナーや時期によってブランドコンセプトの理解やデザインの統一性がバラバラ、なんてことが起こらなくなります。
Fireflyがビジネスで大活躍する日は近そうですね。
あわせて読みたい
Adobeの画像生成AI、「Firefly」に今後期待できること

Adobeはプロのコンテンツクリエイター向けの高品質な製品·サービスを提供してきた会社であり、そんなAdobeが開発している画像生成AIであるFireflyも他とは一線を画したツールになるだろうと推測できます。
正式リリース後は有料になると思われますが、Firefly1つに画像生成AIのすべてが詰まっていると言っても過言ではないので、コスパは抜群。
AIによる作業時間の大幅な短縮や、独創性の高いアレンジ作品が可能になることで、創作活動の幅が広がることは間違いありません。
Fireflyはまだベータ版の公開のみで正式リリースは決まっていませんが、既に企業向け「エンタープライズ版」や「Adobe Express」へのベータ版の搭載など最新情報が続々発表されていますので、公式発表を楽しみに待ちましょう!
\おすすめ/