近年はPCやテレビ、ゲームなどの解像度が格段に上がり、本物と見まがうような美しい映像がほとんどですが、昔懐かしい“ドット絵”もまた味わい深く、イラスト・映像界隈では今でも度々表現の1つとして用いられています。
特に最近ではSNSのアイコンに使う人がいたり、NFTアートとしてやり取りされていたりと再び注目を浴びているのです。
今回はそんなドット絵アートの描き方とその魅力について紹介します!
ドット絵とは何か?ドット絵の歴史と特徴
ドット絵とはどんなものを呼ぶのでしょうか?なぜ人気を呼んでいるのでしょう?
ドット絵の定義や特徴を紹介します!
ドット絵の歴史と代表的な作品
ドット絵といえば、多くの人がイメージするのは“ファミコン”や“スーパーファミコン”などの昭和終期~平成初期のゲームではないでしょうか。
当時のゲーム機はまだまだ映像化の技術が低く、解像度が低かったためイラストを縁取る線が線として表現できませんでした。
その結果、輪郭がカクカクしたいわゆる“ドット絵”が生まれたのです。
「ファイナルファンタジー」シリーズや「ドラゴンクエスト」シリーズ、クロノトリガー、タクティクスオウガなどの作品が今でも有名で、精巧ながらレトロな味わいのあるドット絵で描かれた作品となっています。
ポイント
CG作品が主流となった今でも、ドット絵RPGを懐かしむ声は多く2023年にも3D×ドット絵×スクエアエニックスRPGの世界観で話題を呼んだ「オクトパストラベラー」シリーズの最新作も発売されているほど、今でもドット絵は多くの人から愛されているのです。
ドット絵の定義と基本的なルール
では、ドット絵は具体的にどのようなイラストを指すのでしょうか。
実はドット絵には明確な定義はないのですが、多くの人がイメージしているドット絵となるためにはある程度の条件はあります。
通常絵を描くときはペンで線を引き、塗りつぶします。
コンピューター上で絵を描くときは、この線も塗りつぶしも小さな四角いマスの集合体です。
大きな四角いマスを10個使ってカーブを描いたら線がカクカクになりますが、小さなマスを100個使って同じ線を描いたら滑らかになります。
この“同じ面積の中のマスの密度”が解像度であり、解像度が目視で確認できる程度に低いものが一般にドット絵と呼ばれているのです。
ドット絵の特徴と魅力
ドット絵の魅力はなんといってもそのレトロ感。
当時ファミコンやスーパーファミコンをやっていた今の30代以上の世代にとっては、どんなにゲーム映像が美しくなってもドット絵の懐かしさは忘れられず、ドット絵イラストは表現の1つとして今も生き残っているのです。
一方、1996年頃のプレイステーションやニンテンドー64発売以降では3Dゲームが台頭してきて、ドット絵ゲームをプレイしたことのない20代以下の若者にとってはそのレトロ感がかえって新鮮に映り、人気を博しているのでしょう。
日本国内のみならず、海外でもドット絵はピクセルアートと呼ばれ親しまれ、長く多くの人から愛され続けているのです。
ドット絵を描くために必要なツールとテクニック
ドット絵を描くには特別なソフトやテクニックは必要なのでしょうか。
上達するコツも紹介します!
ドット絵を描くためのおすすめのツール
ドット絵は小さな四角いマスを少しずつ輪郭となる色と塗りつぶしの色で埋めていき、イラストを作ります。
小さな四角いマスがあれば描けるという意味では、極論Excelでも作れてしまいます。
ただし、本格的なドット絵を描きたいのならば陰影や繊細な色使いが必要になるため、ドット絵専用アプリやイラスト制作ソフトを利用した方が良いでしょう。
ここでは、ドット絵が作れるアプリやソフトを3つご紹介します。
ポイント
- EDGE(無料)・・・ドット絵専門ソフト。イラスト制作ソフトではドット絵を描くために事前設定が必要だが、ドット絵専用のため面倒な設定不要ですぐに書き始められる。無料ツールのため色が256色しかなく、細かい配色が難しい。
- CLIP STUDIO PAINT EX (有料)・・・プロも使うイラスト制作ソフトなので配色は非常に豊富。
- Photoshop(有料)・・・ドット絵を描くためには事前設定が必要なので少し面倒。 テクニックさえあれば精巧な本格ピクセルアートも描ける。
ドット絵を描くための基本的なテクニック
ドット絵を綺麗に描くためには、まずは〇×△□などの基本的な図形を練習しましょう。
これをどんな大きさ、どんな比率でも綺麗に描けるようになること、それが基礎となります。
更に、斜線、曲線の練習をしましょう。
斜線は規則性を持たせると綺麗な直線に見えますよ。
色塗りのコツは、境界部分を中間色も使って塗ること。
ポイント
例えば、明るい青色の髪のキャラクターを黒い輪郭で描くとすれば輪郭と皮膚の境界付近を茶色のグラデーションで、輪郭と髪の境界付近は群青色からグラデーションにしてみましょう。
すると、陰影や境界の滑らかさを出すことができ、綺麗な色塗りができます。
ドット絵を上達させるためのコツと参考になるサイト
まずは見本を見ながら描いたり、すでにあるドット絵を模写したりして、ひたすら練習しましょう。
見本や模写サンプルは簡単に手に入れることができます。
写真を極端に小さくカラーコピーすると、ドット絵っぽくなります。
ドット絵フリー素材サイト「ぴぼや倉庫」や「DOT ILLUST」をのぞいてみれば、昔のドット絵RPGでよく見るオーソドックスなドット絵が無料でたくさん手に入るのでおすすめです。
スーファミ時代のドット絵RPGは今でもスマホアプリとして低価格で販売されているので、ゲームをプレイしつつ、好きなシーンをスクショしておけば練習画像をたくさん手に入れることができますね!
ドット絵にもクリエイターの画風というのが現れます。
ポイント
昔懐かしいドット絵ゲーム風イラストのみならず、本物の写真と見まがうような本格的なアートを展開している人もいます。
自分が描きたい絵に合わせた練習も必要ですから、お気に入りのドット絵クリエイターの作品をたくさん見て研究しましょう。
ピクセルアート集なども販売されているので、1冊購入してイメージを膨らませてみるのも良いでしょう。
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ドット絵の需要と活用方法
ドット絵を描けるようになったらどのようなことができるのか、どんな需要があるのでしょうか。
最近の人気と傾向を追ってみます。
ドット絵が注目される理由と最新のトレンド
ドット絵が今再注目されている理由、ちょうど“ドット絵ゲーム”世代が社会の中核を担う30~40代になったというのもありますが、このタイミングでブームが再燃しているのはNFTアートとしてやりとりが盛んになっているからでしょう。
NFTでドット絵が人気の理由は、実はNFTの仕組みにありました。
細かい説明は省略しますが、NFTアートをやり取りするためには、ブロックチェーンと呼ばれる“絶対に改ざんできない取引台帳”に情報を記録する必要があります。
しかし、このブロックチェーンに書き込めるデータ量がものすごく少ないため、直接ブロックチェーンにデータを保存できる“データ容量の少ないイラスト≒ドット絵”が使われ始めたのです。
ポイント
データ容量の多いイラストでも“外部サーバーに保存し、参照する”という形でやり取りは可能ですが、理論上デメリットの少ないドット絵がNFTアートとして流行し、SNSのアイコンでも使われるようになりました。
ドット絵を使ったNFTアートやSNSアイコンの作り方
ドット絵ブームの火付け役となっているNFTの仕組みから考えても、NFTアートやSNSアイコンとして現在人気を博しているのは解像度の低い“レトロゲーム風”のイラスト。
同じドット絵でも解像度が高くなるほどデータ量が増えてしまうためです。
NFT関係なくSNSアイコンを作る場合でも、NFTで人気のドット絵アイコンを使っていると拍が付くため、ドット絵アイコンを作るスキルがあると周囲に喜ばれそうです。
ドット絵アイコンは【16×16】【24×24】【32×32】くらいのサイズのものが多く、練習にもちょうど良いサイズなので初心者でも始めやすいのでおすすめです。
ポイント
少ないマスで表現しなければならない難しさもありますが、逆に言えば絵の上手さではなくインパクトや味のある作品が求められているということでもあるので、絵を描くのが苦手な人からも人気作品が生まれる可能性があります。
まずは練習あるのみ!
他の人の作品をよく見てアイコン画像を作ってみましょう!
ドット絵で自分らしい表現を楽しむ方法
ドット絵には、昔ながらのレトロゲーム風のイラストを始め、まるで写真のようにリアルで美しいイラストまで様々な画風があります。
ぜひ、自分の表現方法を見つけてドット絵を楽しんでください。
ドット絵を使って、オリジナルの作品を作ることもできます。
ポイント
例えば、ドット絵を利用すればビーズやレジン、編み物などハンドメイド作品に活用することもできます。
マス目を編み目やビーズに当てはめれば、ドット絵グッズの完成です!
数字パズルの好きな人は、イラストロジックを作って誰かに遊んでもらうのも良いですね!
イラスト技法そのものがシンプルなので、応用しやすいのもドット絵の魅力です。
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ドット絵の魅力を知って、表現の幅を広げよう!
ドット絵の特徴や魅力が伝わったでしょうか?
1つ1つの点(ドット)が集まって精巧なイラストを作ることができたり、レトロゲーム風のイラストを描いたりと様々な表現ができるドット絵。
昭和のレトロゲームから始まって、40年に渡り愛されてきたその歴史は伊達ではなく、これからも多くの人から求められ、描かれていくでしょう。
今話題のNFTアートで稼げるようになるのも夢ではないかもしれませんね!
ぜひ、ドット絵の技法を身につけて独特の世界観やアートを表現してみてくださいね。
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