あなたは「睡眠負債」という言葉をご存知でしょうか。
アメリカの専門家によると、毎日の睡眠不足はまるで現実世界の借金と同じように雪だるま式に増え続け、最終的には負債(睡眠不足)を返すことは難しくなってしまうそうです。
これが睡眠負債と呼ばれる所以ですが、実際に、日本人は特に睡眠時間が少ないと言われており、まさに睡眠負債という足かせをはめて、日々生活していると言えます。
2016年の厚生労働省の調べによると、睡眠による休養が不十分と感じているのは全体の20%で、中でも30代の男性は28%という高い数値を示していたようです。
上記のデータからもわかるとおり、働き盛りの世代ほど睡眠が不足しており、眠い目をこすって仕事をしていることになります。
睡眠が足りていないと、集中力が不足したり、常にあたまがぼーっとしたりと、仕事に支障がでてもおかしくはない状態になってしまいます。
そこで、本記事では睡眠の質こそが仕事の質につながる!と題して、3つの観点から良い睡眠をとる方法を解説していきますので、日々寝不足に悩まされているなら、ぜひ参考にしてください。
睡眠の質が悪いとデメリットしかない
睡眠が大事!とは良く耳にしますが、なぜこのように言われるのでしょうか。
それは、睡眠時間の不足や熟睡できないなどの質が悪いと、仕事に対する意欲や向上心、果てはケアレスミスにまでつながってしまうからです。
もちろん、仕事だけの話ではありません。
授業中の居眠りや、日中の気怠さ、あくびが止まらないなど、周りから見れば無気力な人間と判断されかねません。
では、逆に睡眠がばっちりとれているとどのようなメリットがあるのでしょうか。
睡眠が充分に取れていると逆にメリットしかない
睡眠が充分に取れていると、まず脳が活性化します。
脳が活性化すると、あんなに辛かった朝起きるのもぱっと目が覚めるようになり、体が軽くなったように感じられます。
この時点で大きなメリットがありますが、仕事の効率向上、集中力アップ、閃きが高まるといった効果も見られることから、睡眠を充分にとることがいかに重要であるかがおわかりいただけるはずです。
睡眠は6時間以上が理想
充分な睡眠時間と言われても、何時間くらいとれば良いのかわかりませんよね。
個人差はありますが、最低でも6時間以上、7時間は欲しいところです。(理想は8時間)
ポイント
理由としては、6時間を下回ってしまうとあらゆるパフォーマンスが下がってしまうという統計データがあり、健康にも影響を及ぼす恐れがあることから、そのように言われています。
あなたの睡眠時間と照らし合わせて不足しているようなら、今日からでも増やすように改善することをおすすめします。
良質な睡眠をとるための3つのポイント
ここからは、質の良い睡眠をとるためのポイントを3つ紹介していきます。
朝起きても眠気が取れない、すっきり起きれないなどの悩みがあるなら、すべて実行すると大きな効果が得られるでしょう。
①枕やマットレスなどの寝具を良質なものに変える
わたしたち人間は、人生の実に1/3を睡眠に当てて生きています。
多くの時間をベッドの上で過ごしていることになりますが、枕やマットレスなどの寝具を適当に選んでしまうと、睡眠に大きく影響がでてしまうんです。
たとえば、枕の高さは人それぞれで変わってきますし、男女でも差があります。
マットレスも同様で、体重の分散ができていない物だと満足な睡眠を得ることができず、人によっては首や肩、腰の痛みにまで発展します。
良質な寝具を選ぶには、それぞれの専門店できちんとあなたに合ったものを専門家のもとで選ぶことが何よりも重要です。
自分の体にフィットする寝具で睡眠をとると、今までとは比べ物にならないくらい深く眠ることができるので、とてもおすすめですよ。
②アロマや音楽でリラックスできる空間を作る
良質な睡眠を取るには、眠りに入る1時間前には身も心もリラックスできているのが理想的です。
練る直前までハードロックをガンガン大音量で聴きながらヘッドバンキングしていては、興奮して眠れるものも眠れませんよね。
心穏やかにし、リラックスすることこそが良い眠りを取る秘訣と言えます。
具体的には、アロマを焚いたり、森林の音などの音楽を聴くと効果的です。
③寝る1時間前にはテレビやゲーム、スマホの光を浴びない
就寝前のテレビやゲーム、スマホも睡眠に悪影響を与えることをご存知でしょうか。
テレビやゲームを寝る直前まで見ていると、脳が興奮したままで睡眠に入るため、実際よりも睡眠時間が短くなったり、満足な睡眠が得られません。
スマホで怖いのはブルーライトです。
ブルーライトには睡眠のリズムを乱す効果があるとされており、眠りが浅くなる、睡眠時間が短くなってしまうなどの悪影響があります。
これでは快眠にはほど遠いですよね。
そうならないためには、最低でも眠りに入る1時間前にはすべて切り上げておく必要があります。
脳の興奮を抑え、きちんとした睡眠をとるためにはこういった生活環境を正すことも重要です。
日々の生活を改善すると睡眠の質があがる
睡眠の質をあげるには、日々の習慣化がとても大切です。
言わば、良い眠りのための準備を事前に行うと考えてよいでしょう。
ここでは、2つの例を交えてお伝えしますので、あなたの日々の状況と照らし合わせてみてください。
コーヒーやアルコールは控える
仕事をしていると口にする機会が多いコーヒーやアルコールは、興奮作用があるので、控えておくのが正解です。
「でも、アルコールで酔っ払ったらすぐに眠れるよ?」という人も中にはいると思います。
たしかに、アルコールには睡眠導入効果がありますが、その効果は3時間程度しかないと言われています。
それどころか、体内の水分を大量に消費するため、口やのどの渇きを覚えたり、利尿作用の影響による尿意で眠りが浅くなることもあげられるので、マイナスの効果しか得ることができないので気をつけましょう。
睡眠のためのルーティーンを徹底する
より質の良い睡眠を取るためには、脳と体に「これから眠りますよ」という合図を送ることが重要です。
合図を受けた脳と体が眠りの準備を始めやすくなるので、結果的に睡眠の質が向上します。
ただ、ここで気になるのが“合図”だと思います。
具体的には、眠るためにパジャマに着替える、歯を磨く、湯船にゆっくり浸かるといった行動のことを指します。
パジャマに着替える=眠ると認識されれば、脳と体は自動的に眠るための準備を始めてくれるのです。
しかし、これらの合図を脳も体も認識していなければ、大きな効果を得ることはできません。
では、どうすれば認識させることができるのかが知りたいですよね。
答えはシンプルで、繰り返し行い、ルーティンにしてしまうことです。
同じ行動をし続けることで、脳や体が「これは眠る前の準備だ!」と認識できるようになるので、しばらく徹底して同じ行動をとるようにしてくださいね。
まとめ
日本人の平均睡眠時間は7時間22分と言われています。
この数字は、OECD(経済協力開発機構)が31か国を対象に調査した結果で、最下位の結果です。
最長だったのは南アフリカ共和国の9時間13分で、日本との差は2時間近いです。
睡眠は6時間を下回るとさまざまなパフォーマンスがさがると言われており、もちろん仕事にも影響がでます。
ぱっとしないあたまでは仕事に結果が残せず、それどころかつまらないミスもしかねません。
そうならないためにも、本記事で紹介した対策をしっかり実行して、快適な睡眠をとれるように改善しましょう。