
ITテクノロジーの普及が著しい昨今、インターネット上で「メタバース」と呼ばれるキーワードが多く使われるようになってきました。
この言葉を初めて聞いた方にとってみれば、どこか専門的な用語のように感じてしまい、生活には一切関係ないと考えている方もいらっしゃるかもしれません。
しかしメタバースは、年齢や性別、職業などにかかわらず、多くの人々に影響を与えつつある存在です。
特に、普段馴染みのある「ゲーム」との親和性は、かなり高いといっても良いでしょう。
今回は、そんなメタバースの概念とゲームとの親和性についてご紹介します。
- 「メタバースって何?」
- 「VRとはどう違う?」
- 「これまでのゲームにどのように関わってくるの?」
本記事では、このような疑問を持っている方に向けて執筆しています。
この記事を読むことでメタバースの基礎を学び、普段馴染みの深いゲームといかに関わってくるのかについて理解することができます。
次の章から、順番に解説していきますね!
1. メタバースについて

ここでは、ゲームとの親和性について解説する際に必要となる「メタバース」の基礎知識についてご紹介します。
1-1. メタバースとは?
メタバースとは、仮想空間上で作り出したアバター(自分自身の分身)を通じて、職場の人や友人などの様々な人物とコミュニケーションを図ることができる技術のことです。
メタバースは、「メタ- meta」と「ユニバース - universe」という2つの言葉から作られた造語です。
メタは「超越した」、ユニバースは「宇宙」の意味を持っていますので、メタバースは「超越した宇宙」のように直訳することもできます。
大袈裟な表現でイメージが難しい造語ですが、「超越した宇宙 = インターネット上の仮想世界」という意味だと思っていただければ、理解しやすいかと思います。
メタバースの技術は、以下のようなシーンで応用することができます。
- リモート会議
- イベント交流
- アバターを活用したゲームプレイ
これらの事例において共通するのは、「インターネット上の人物とオフラインに近い形式で交流できる」という点です。
メタバースを活用することで、自分自身が直接現地に出向かなくても、職場の人と密度の濃い仕事をしたり、迫力のあるゲーム体験ができるため、様々な分野やビジネスにおいて注目されている技術といえます。
1-2. メタバースとVRの違いは?
メタバースと聞くと、「VR(Virtual Reality)とはどう違うの?」と感じるかもしれません。
メタバースとVRは似たような共通点を持っていながらも、厳密には異なる概念として扱われています。
具体的には、「メタバースがアバターを通じてコミュニケーションを図る仮想空間そのものであることに対し、VRは仮想空間を実現するための手段」という点に違いがあります。
メタバースの仕組みを実現するための1つの手段として、VR技術が存在するという表現もできるでしょう。
したがって、メタバースで定義される仮想空間は必ずしもVR空間である必要はなく、仮想空間上の人物と交流する目的を果たしていれば、これまでのゲームやスマホでも十分に実現できる概念といえるのです。
2. メタバースに親和性のあるゲーム

ここまで、メタバースの概念とVRとの違いについて解説してきました。
メタバースには、ビジネスやイベントなどの幅広い分野で活用される可能性を秘めており、その中でも「ゲーム」との親和性はかなり高いといえます。
前章でもお話した通り、メタバースに関連するゲームは、必ずしもVRやARを利用したものである必要はなく、多くの人に馴染みの深いテレビゲームやPCゲーム上でも実現することが可能です。
「メタバースとゲームの親和性」について解説する際に登場することの多い代表的なゲームとして、以下のものが挙げられます。
- マインクラフト
- あつまれ!どうぶつの森
- FORTNITE(フォートナイト)
これらのゲームには、ストーリーをただ楽しむだけでなく、オンライン上のゲームプレイヤーと交流するための要素が数多く散りばめられています。
具体的には、アバターの服装や表情を自由にカスタマイズしたり、有名アーティストが急遽バーチャルライブ開催を決定するなど、現実ではなかなか体験できないようなワクワク感満載のコンテンツが盛り沢山です。
また、最近では「The Sand box」や「Decentraland」など、自身のメタバースを構築してオンライン上のプレイヤーに提供できるプラットフォームサービスも登場しています。
このようなサービスには、ゲームで使用されるアイテムやコンテンツを自身で作成して、別のプラットフォーム上へ移動・売買できる機能の充実化が期待されており、既存のゲーム概念に囚われない自由な体験ができる可能性を秘めているのも特徴です。
現実世界と同様の生活をしながらも、非現実的な体験を味わえるメタバース関連ゲームの需要は、今後さらに高まっていくことでしょう。
3. メタバースのリスク・注意点

メタバースで実現される世界は、これまでの既存の常識を覆すほどの衝撃と魅力を私達に与えてくれます。
しかし、現在はまだテクノロジー発展途上ということもあり、メタバース活用によって想定されるリスクがあることも事実です。
本章では、メタバースが本格的に普及していく前に知っておきたいリスクと注意点についてご紹介します。
3-1. 現実世界でのコミュニケーションの希薄化
1つ目に、現実世界上でやりとりを行う機会が失われる可能性についてです。
今後メタバースの技術が進歩していくにつれて、私達のコミュニケーションスタイルは、間違いなくオンライン起点のものになっていくでしょう。
現在はリモートワークの概念が普及していますが、こうした環境の変化によって、現実世界でのやりとり自体が億劫になっている人達も実在します。
メタバースの導入によって、このような傾向はさらに顕著になっていくのではないかと思います。
「利便性」という観点ではメタバースは有効ではありますが、依存性を高めすぎた結果、現実世界での生活を無為に過ごすことのないように注意しなければなりません。
3-2. 法整備が十分に進んでいない
続いて懸念されるのが、メタバースで実現される仮想空間上の法整備が十分に進んでいないという点です。
メタバースで定義される仮想空間には、ゲームストーリーをただ楽しむだけでなく、自作したアイテムの売買や仮想通貨取引など、利害関係が生じる機能が搭載されることも多いです。
これらの機能は自身のコンテンツやオリジナリティを発信する上で欠かせない要素といえますが、それは、「法律が十分に整備されている」という前提のもとで説明されるべきでしょう。
メタバースを活用したプラットフォームやサービスはすでに普及してきていますが、その一方で、商取引や運用上のルールに関する法整備が追いついていないのが実情です。
最近では、仮想空間上のアバターから不快に感じる言動を受けたり、自身で著作権を持つコンテンツが許可なく使用されてしまう事例なども存在します。
利便性の裏側にはこうしたリスクがあることを考慮した上で、メタバースの世界観を楽しむようにしましょう。
4. まとめ

以上、メタバースの概要とゲームとの親和性についてご紹介しました。
メタバースは、ある特定の分野に留まらず、ITテクノロジーを必要とするすべての分野において応用できる可能性を秘めています。
特にゲーム業界においては、さらに需要を伸ばし続けることでしょう。
一方で、現在は発展途上の段階であり、すでに浸透している技術以上に、裏側に潜むリスクにも目を向けなければなりません。
メタバースに関連するゲームやサービスに興味を持った場合は、事前に情報収集した上でコンテンツを楽しむようにしましょう。