最近、Facebook社が社名をMetaに変更したことで、注目を浴びるようになったメタバースですが、メタバースの中で仕事ができるということを知っていますか?
今回は、メタバースの基礎知識から実際にメタバース内でどのような仕事ができるのかなどを紹介したいと思います。
メタバースとは
メタバースとは、インターネット上で現実とは異なる3次元の仮想空間のことです。メタバースの空間はコンピュータグラフィックス(CG)で制作されています。
メタバースという言葉は、現実世界とはかけ離れた「超越した(メタ)世界」と、空間の壮大さを表した「ユニバース(宇宙)」を組み合わせた造語です。
メタバースを利用している身近な例をあげるとゲームの世界でしょうか。有名なゲームでは「フォートナイト」や「あつまれ どうぶつの森(あつ森)」があげられます。
今回のメタバース内で仕事をするイメージでは、ゲーム内で他のユーザーとコミュニケーションを取り、島で生活をする「あつ森」が近い感じがします。
実際に「あつ森」をプレイすると、島で本当に生活をしているような感覚を味わえます。
メタバースで仕事できるって知ってる?
メタバースで仕事ができることは知っていますか?
コロナ禍で在宅ワークが増加し、海外では、メタバース内でアバターを介して仕事をしたり、会議やミーティングが行われたりしているようです。
アバターとは、インターネット上で自分の分身となるキャラクターのことで、先ほどのあつ森内でいえば、自分の操作するキャラクターがアバターにあたります。
会議やミーティングならZoomなどのテレビ会議で十分という人もいると思いますが、メタバース内では、アバター同士でのやり取りで、相手の目線やしぐさなどが読み取れ、実際に目線を合わすことができるなどテレビ会議にはない臨場感を感じながら仕事をおこなえます。
メタバースで仕事をする上で必要なもの
まず、メタバースを利用するには、機材と専用アプリが必要です。
必要な機材でいえば、主に「VRゴーグル」と「VR対応のデバイス(PC)」をそろえなければいけません。ただ、両方とも高額なアイテムなので慎重に選ぶ必要があります。
もし、予算的に厳しければ、外部機器が不要なMetaの「OculusQuest2」というVRゴーグルがおすすめです。
専用アプリについては、自分で仕事をする場合は、Metaの「Workrooms(ワークルームス)」や「Immersed(イマースド)」がおすすめです。ただ、メタバース上で働くとなれば、雇用先が用意する環境を利用すると思います。
メタバースやVRの世界では、機材はこだわろうとすれば性能の高いものはいくらでもありますので、自分で納得のいくものを選びましょう。
メタバース上での仕事のやり方
メタバース上での仕事は、基本、自分のアバターを介して行います。
仕事環境において、デスクワークをする場合は、コストはかかりますが、パソコンを連携させたり、ディスプレイをメタバース上に設定したりできます。
また、後ほど紹介しますが、職種として接客などもあり、メタバース上でお客さまに商品説明や営業をかけるなどが可能です。
仕事場は基本、どこかに通勤することはなく、自宅での対応がメインになるでしょう。
メタバースで仕事をするメリット
メタバースで仕事をする中で、主なメリットは下記の3つです。
- 余計な情報を消して集中できる
- 気持ちの切り替えができる
- アバターを介すので服装などは自由
メタバース上では、VRゴーグルを使用し、他の情報を遮断することが可能です。在宅ワークでよく聞くのが、スマホが気になって集中できない、周りの雑音が気になるなどですが、この点は解決してくれます。
また、在宅ワークでプライベートとの気持ちの切り替えができないということもよく聞きます。メタバース上での仕事になると、バーチャル世界に入り、変化するため仕事モードへの気持ちの切り替えができます。
そして、メタバース上での仕事はアバターを介して行うため、実際の髪形や服装は自由にできます。
メタバースで仕事をするデメリット
メタバースで仕事をする中で、主なデメリットは下記の3つです。
- VRゴーグルの問題(バッテリー)
- 手元の資料やスマホが見られない
- 人によってはVR酔いをする
仕事をする上で、気になるのはVRのゴーグルのバッテリー切れです。充電器をつなぎながら使用できますが、動きに制限が出るのが難点です。
また、会議などで使用する資料をメタバース内にすべて用意できれば問題はありませんが、例えば、何かの商品を案内するときに手元の資料を見ることはできないため、すべての商品の詳細を暗記する必要があります。
デメリットの最後は、VRを使用して車酔いのようなVR酔いを発症する人がいます。実際に体感してみないとわかりませんが、気に留めておく必要があります。
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どんな職種があるの?
メタバースで仕事をする上での、基本的なことを紹介してきました。では、現在、メタバース上でできる職種はどのようなものがあるのでしょうか?
現在、メタバース上でできる仕事の職種は、まだ発展途上で数自体は少ないです。その中から主な職種を3つ紹介します。
- 接客業
- イベント案内人
- Vtuber
実店舗での接客
最初に紹介するのは、リアルの店舗に来られたお客さまに対して、接客をする「アバター店員」です。
実際に来られたお客さまに対して、デジタルサイネージと呼ばれる液晶ディスプレイに写したアバターを介して接客をします。システムによっては、アバターの動きやしぐさ、表情などが細かく反映されます。
接客の場所としては、空港やホテル、百貨店、飲食店などがあります。仕事の内容は、受付や商品説明コーナーでの接客が中心です。デジタルサイネージは、基本、移動できるので、さまざまな場所で活用できます。
現在は、JALや東急ハンズなどでテスト導入などされており、今後も「アバター店員」はさまざまな業態に広がっていくことが予想されます。
仮想空間内でのイベント案内人
続いて仮想空間内でのイベントの案内人です。メタバース内の仮想空間で行われるイベントでの受付や会場案内などが主な仕事内容です。
コロナ禍で多くのイベントが中止になり、今ではオンラインでのライブやイベントの開催が当たり前になりました。同時にバーチャル内でのイベントも増加しており、今後もバーチャル内でのイベント案内人の雇用は増えていくでしょう。
また、バーチャル世界の中で、美術館や展示会、催事などの開催もテストがされているため、例えば、百貨店でよく行われている「大北海道展」や「九州フェア」などがメタバース内で実施されるかもしれません。
アバターでイベント案内のバイトをするのが当たり前になる日も近いうちに実現されるでしょう。
Vtuber
Vtuber(ブイチューバー)というワードは耳にした人もいると思います。Vtuberとは、YouTuberのアバター版のことです。「バーチャルYouTuber」がVtuberの語源です。
Vtuberは数年前からその世界観は確立されており、火付け役なったのは、2016年から活動を開始した「キズナアイ」です。現在のチャンネル登録者数は300万人を超えています。
人気を得るためのハードルは高いかもしれませんが、バーチャルという世界の中で、キャラクターでありながら、タレントやインフルエンサーになれる可能性が誰にでもあるのはステキなことではないでしょうか。
今後は、先ほどあげたイベントの案内だけではなく、メタバース上の展示会などのイベントコンパニオンなどキャラクター性の強いアバターも登場するかもしれません。
求人サイトの紹介
メタバース上でできる業種や職種を紹介してきましたが、では実際の求人サイトではどのような内容の仕事が募集されているのでしょうか?
実際に募集がかかっている求人サイトと募集内容を含めて紹介します。現状の募集数は少ないですが、年々、増加傾向にあり、メタバースの発展とともに増えていくことは間違いないといえるでしょう。
メタジョブ!
メタジョブ!は、デジタル上で仕事をするデジタルワークに特化した仕事のマッチングサービスを提供しています。VRイベントやアバター店員がほしい企業とメタバース上で働きたい人をつなげています。
メタジョブは三井物産グループの「Moon Creative Lab Inc.」が社内企業で立ち上げたプロジェクトチームが運営をしています。
募集している職種は、先ほど紹介したアバター店員やイベントの案内人がほとんどです。時給は、1,100円~1,500円とリアルのアルバイトと違いはありませんが、移動がなく、自宅でできると考えると通常のアルバイトより良いのではないでしょうか。
その他には、バーチャル空間で行われる高校生の議論をファシリテートする仕事など面白そうな内容のものもありました。
<メタジョブ!>
バイトル
アルバイトの求人サイトで有名なバイトルでも、メタバースに関連した求人がありました。
メタジョブ!と同じ、アバター店員やイベントの案内があり、ほかにはバーチャルライバーの募集もあります。
バーチャルライバーとは、主に17LIVEやIRIAMなどのライブ配信アプリを上で、アバターを使ってライブ配信を主体として活動することです。
報酬は完全出来高制となっており、努力次第で高額な収入を得ることができます。中には月額50~100万円を稼ぐアバターもいるようです。
その他(パソナグループ、インディード)
その他にも、パソナグループやインディードを調べましたが、基本は、アバター店員かバーチャル上でのイベント案内人が主な仕事内容でした。
募集している企業も限られており、まだまだこれからという感じがします。これから、興味を持ち、一度は経験をしてみたい人は、「メタジョブ!」で仕事を探すことをおすすめします。
企業が直接、マッチングを希望して募集をかけているので、最先端の経験ができる可能性があり、良い経験になるのではないでしょうか。
こちらの記事も参考に
まとめ
今回は、メタバース上でできる仕事について、紹介しました。現状は、メタバース上での仕事は、アバター店員やイベントの案内人がほとんどという現実でした。
しかし、今回、記事を制作するために調べていて気づいたことがあります。現在、仕事の募集されている中にメタバースの開発など環境を築くエンジニアの募集が多くされていました。
メタバースをはじめ、バーチャルに関連する世界の発展は、まだまだこれからですが、バーチャル上で仕事をすることは、近いうちにもっと話題になってくるのではないでしょうか。
メタバースが普及したら、リアルとメタバース空間の両方でたくさんの仕事が生まれると思います。
今回の記事をきっかけにメタバース上で働くことに興味があれば、一度、チャレンジしてみてください。